旦那がブラックリスト!妻がカードローンを利用することはできる?クレジットカードや住宅ローンは?離婚したらどうなる?
「旦那が借金でブラックリスト入りしていることが発覚した!」
信じていた夫に借金を内緒にされていたこともさぞショックなことでしょう。特に日々家計のやりくりに頭を悩ませている奥様方にとっては、精神的にも経済的にもショックなことでしょう。
それと同時に様々な不安や疑問が浮かんでくることと思います。ここでは旦那の借金問題に悩む方のためにブラックリスト、すなわち個人の信用情報とローンや家族への影響について知っておきましょう。
旦那がブラックリストだと妻はカードローンやクレジットカードを利用できないのか?
旦那のブラックリストが今後のローン組みや審査にどう影響するのか?
子供や両親など家族への影響は無いのか?
借金整理の方法は?
そもそもそんな旦那とは離婚を考えるべきか?
判明してしまったからには配偶者として放っておくことはできませんよね。正しい知識を得て、適切な対処を考えましょう!
目次
旦那がブラックリスト!?まずは現状をしっかり把握しましょう!~信用情報について~
まず世間でいわれている「ブラックリスト」というものがどういう状態なのか知っておきましょう。銀行やカード会社、消費者金融業界で「この人にお金を貸してはいけません」という名簿が出回っている訳ではありません。
いわゆる「ブラックリスト状態」と呼ばれているものの正体は「信用情報」なのです。
信用情報とは?
銀行や消費者金融業者からお金を借りる時だけでなく、商品代金の一時立て替えを行うクレジットカードの入会時でも、商品やサービスの代金を分割で支払う時でも、業者側は必ず「審査」を行います。
「この人(申込者)にお金を貸して返済してくれるだろうか?」「この人の支払いを立て替えて返済能力は大丈夫だろうか?」ということを担当者が審査して確認するのです。見ず知らずの人にお金を出す(融資する)のですから当然のことですよね。
その審査の際に重要な参考材料とされるものが個人信用情報なのです。
信用情報は「信用情報機関」と呼ばれる第三者機関で登録・保管されており、銀行やカード会社はそれぞれ自分たちが加盟している個人信用情報機関に登録されている申込者の信用情報を参照します。
信用情報には氏名、生年月日、電話番号、住所などといった個人情報とともに、過去に利用したローン商品などの契約内容や支払状況が登録されています。
信用情報がブラックリスト状態とは?
信用情報には通常の利用履歴だけでなく、過去の返済延滞や債務整理といったいわゆる金融事故情報と呼ばれるネガティヴな情報も”異動情報”として記載されています。この異動情報がある場合、ほとんどの金融機関が新たにお金を貸すことを断ります。
つまり審査落ちしてしまう状態=ブラックリスト(に載っている)状態と呼ばれているのです。
商品代金などの分割払いの審査では異動情報があっても通る場合が多いです(金額にもよりますが)。
旦那が本当にブラックリスト状態か確認する
本人が「俺はブラックリストだからどこも貸してくれないよ」といっても、信用情報上では問題が無い場合もあります。
信用情報の情報はそれぞれの項目によって保持期間が決まっています。時間が経って過去の延滞情報が削除されているということもあります。「延滞」の情報は通常5年程度で消されます。
「過去に延滞したからもうダメなんだ」と思っていても、信用情報からはすでに消されていたということもあり得るのです。
いちばん確実なのは各信用情報機関に信用情報の開示請求をして、本人の信用情報を直接確認する方法でしょう。日本では現在3つの信用情報機関が利用されています。
・株式会社日本信用情報機構(JICC)
・全国銀行個人信用情報センター(KSC)
CICとJICCは主にクレジットカード会社・信販会社、消費者金融業者といった貸金業者が加盟・利用しています。KSCは主に銀行や信用金庫が加盟して利用しています。
それぞれ独自の情報を保持していますので、できれば全ての信用情報機関の信用情報を開示する方が賢明でしょう。ちなみに、審査時にはお互いに連携して参照できるようになっていますので、どこかで異動情報が記載されていれば分かるようになっています。
基本的に信用情報の開示請求は本人(もしくは正式に依頼された代理人)のみが行います。なので、ご主人本人に開示請求させる方が手っ取り早いのですが、奥さんが任意代理人となって請求することも可能です。
旦那の借金状態、返済状況を把握する
今後も家計を共にする配偶者として生活していくのであれば、旦那の借金状態をしっかりと把握することが大切です。現在の借入残高はいくらで、毎月の返済額がいくらか、金利は何%で月々いくらの利息を支払っているのか理解しておくと、借金完済のための返済計画が立てやすくなるでしょう。
もしご主人の言うことだけでは信用できないというならば、上述したように各信用情報機関の信用情報を確認すれば、現在の借入れ状況や返済状況がはっきりと知ることができます。
信用情報機関の登録情報の保持期間について
参考として各信用情報機関でどのくらいの期間、異動情報を情報を保持しているかご紹介します。
CIC
「異動(延滞・保証履行・破産)の有無」:契約期間中および契約終了後5年以内
JICC
「延滞等」:延滞継続中、延滞解消の事実に係る情報については当該事実の発生日から1年を超えない期間「債権回収、債務整理、保証履行、強制解約、破産申立」:当該事実の発生から5年を超えない期間
KSC
「延滞、代位弁済、強制回収手続、解約、完済」:契約期間中および契約終了日から5年を超えない期間「官報情報」:破産手続開始決定等を受けた日から10年を超えない期間
”ブラックリスト”になる主な理由となる情報は解決してから5年、自己破産など官報情報は10年を目安に考えておくとよいでしょう。
旦那がブラックリストでも妻はカードローンでお金を借りられる?
「旦那がブラックリストとなると配偶者で住所も一緒の自分はカードローンでお金を借りられない?」と心配になる方も多いでしょう。カードローンの利用条件は「申し込み者本人に安定した収入と返済能力がある」ことになります。
個人信用情報は夫や妻といった配偶者には関係ありませんので、住所が一緒でも奥様自身の信用情報だけを基にして審査を行います。(そもそも本人の許可なく申込者の配偶者の信用情報を参照することはできません。)
つまり奥さん自身に収入があって信用情報に問題がなければ、旦那さんがブラックリストだろうがカードローンでお金を借りることができるということです。
奥さん本人に収入の無い専業主婦の場合
奥さんに収入が無い場合、カードローンを利用する際には配偶者貸付といって、配偶者である旦那さんの収入に応じてお金を借りる審査を受けることになります。この場合には旦那さんの信用情報も参照されるため、審査通過する可能性は低くなります。
また、大手消費者金融会社でも配偶者貸付に積極的なところはありませんので、新たなカードローン契約は難しいでしょう。
旦那がブラックリスト状態で妻はクレジットカードを作れる?
ではクレジットカードはどうでしょうか?
こちらもカードローン審査と同じく、参照する信用情報は利用者である奥さん本人のもののみとなります。したがって奥さんの収入や属性、返済能力が認められれば問題なくクレジットカードを作ることができます。
しかし奥さんが収入の無い専業主婦の場合には、こちらも旦那さんの信用情報を参照されますので、新たなクレジットカードを作ることは難しくなるでしょう。
すでに旦那名義のクレジットカードがあり家族カードなどで利用している場合
現在がブラックリスト状態であっても、すでに契約済みのクレジットカードならばそのまま利用することができます。ただし、延滞などの異動情報が続けば、カード会社の判断で利用停止や強制解約といった措置が取られる場合もあります。
「いきなりカード利用停止」ということも考えられますので、現在利用できるカードは大切にきちんと遅れず返済を続けましょう。
旦那がブラックリストだと住宅ローンは組める?現在の住宅ローンはどうなる?
では金額の大きな住宅ローンはどうでしょう?人生設計の一環として賃貸を卒業して持ち家やマンション購入を検討しているご夫婦も多いでしょう。
ずばり、旦那がブラックリスト状態での住宅ローン審査通過は非常に厳しい!と考えておきましょう。
通常、住宅ローンでは”世帯収入”を基にして審査が行われるケースが多いです。つまり旦那さんと奥さん両者の収入や信用情報が参考とされますので、一方がブラックリスト状態では審査担当者の心象は非常に悪くなってしまいます。
ただし、奥様にしっかりと安定した収入があるのならば、奥様単独名義での住宅ローンを組むという方法もあるでしょう。
現在の住宅ローンについて
すでに契約済みで、現在返済を続けている住宅ローンがある場合、旦那様がブラックリストであろうとなかろうと返済を続けるしかありません。新たに悪質な金融事故でも起こさない限り、突然一括返済を求められるようなことはないでしょう。
ただし、住宅ローン自体を借り換えるようなことは、信用情報から異動情報が削除されてから検討しましょう。できれば繰上返済もして一日も早く完済することを目指しましょう。
旦那がブラックリストだと教育ローンや自動車ローンは組めない?
教育ローンや自動車ローンも申込み名義がご主人の場合には審査が厳しくなるでしょう。ただしお子様本人が収入を得るようになってから返済を始める奨学金タイプの教育ローン商品ならば問題ないでしょう。
自動車ローンも「頭金を多くする」「中古車ローンにして低額の借り入れにする」といった手段は検討の余地があります。
また、旦那様のブラックリスト、つまり異動情報が過去のもので、現在は返済中の借金はない又は少額だという場合には、相談次第ではローンを組める場合もあります。「3年前に苦労していて何度か延滞してしまった」程度の人ならば、現在の年収などの属性や信用情報履歴を考慮してくれることもあります。
もちろん奥様に充分な収入がある場合には、奥様名義でローンを組んだ方がスムーズでしょう。
旦那のブラックリスト入りは子供や両親など家族へ影響する?
では旦那のブラックリスト状態は家族へどんな影響を与えるでしょうか?
こちらも前述した通り、信用情報を利用する場合は基本的に本人以外は関係ありません。父親がブラックリストでも、収入のあるお子様がクレジットカードを絶対に作れないということはありません。
また、借金の返済請求が子どもや両親に行くこともありません(連帯保証人になっている場合は別です)し、配偶者である奥さんに請求されることはありません。
借金を整理する方法は?
旦那がブラックリスト状態でしかも現在も借金を抱えているのであれば、今後は滞りなく返済が続けられるかを検討しましょう。世帯の収入に対して借金の額が多すぎて生活費を捻出するのも難しいようであれば、借金を整理することを考えましょう。
おまとめローンや借り換えローンを検討する
複数のローン会社から借り入れている場合や、高い金利の契約で返済を続けている場合、借金をひとつにまとめたり低い金利のローン商品に借り換えることで借金返済が楽になる場合があります。
各金融機関で用意している「おまとめローン」や「借り換えローン」を検討してみるとよいでしょう。ただし、こちらも信用情報を参照して審査を行いますので、直近のローン事故情報等がある場合には難しいかもしれません。
債務整理を検討する
任意整理を行うことで借金の額を減らしたり、支払う利息を少なくできる場合もあります。任意整理は債務者である旦那さんと債権者である金融業者との交渉でになりますので、できれば専門家の手を借りた方が失敗せずに行えるでしょう。
弁護士事務所や司法書士事務所の無料相談や、法テラスの無料相談を利用することをおすすめします。
借金額と収入の状況から、どう考えても返済が無理だという場合には、自己破産という手段もあります。こちらも専門家と相談してから行動することをおすすめします。
ただし、任意整理や自己破産といった債務整理を行った場合、新たな事故情報として信用情報に新規登録されることになります。つまりその後5年から10年程度はブラックリスト状態がまた続くということになります。
内緒で借金をしてブラックリスト入りした旦那とは離婚すべき?
「そもそも自分に内緒で借金をしてブラックリスト状態になった旦那を許せない!」離婚という選択肢を考える方もいらっしゃるでしょう。
離婚した方がいいのか悪いのかは当人同士で無ければ分からないことでしょう。結婚という婚姻契約は当事者二人の意思によって決めるべきものでしょう。
とはいえ、自分でもどうしたらよいか分からないという場合には、こちらも専門家の手助けを借りるという方法もあります。弁護士事務所などで離婚問題や協議離婚・離婚調停を得意する事務所で相談してみることもよいでしょう。
弁護士回答がそのまま正解とはいえないかもしれませんが、多くの事例を扱ってきた専門家のアドバイスは参考になるでしょう。
ちなみに、離婚の理由として「夫の借金」は認められますが、離婚の慰謝料を請求することは難しいようです。ただし、夫の借金が理由で離婚したとしても養育費の請求はできます。また、離婚後に夫の借金の返済義務を負うこともありません(連帯保証人になっている場合は別)。
ただし、各家庭のケースによって差があるのが離婚です。財産分与の対象となる借金もあります(住宅ローンや家族で使うための自動車ローンなど)。やはりここは専門家に相談することをおすすめします。
質問者のプライバシーは守秘義務によって守られますので、ご主人に内緒で相談することももちろん可能です。
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