自己破産者はカードローンが使えない?利用できるカードローンはある?
バブル崩壊以降、自己破産者の増加が大きな社会問題となりました。その後の貸金業法改正などにより右肩下がりで減り続けてきた自己破産者ですが、ここ数年再びわずかながら増加の傾向になっています。
お金で失敗してしまって人の救済措置として存在する自己破産(および免責)制度ではありますが、借金を踏み倒してしまったのですからその後何の影響もなく過ごせる訳にはいきません。実生活に悪影響を及ぼすことはほぼありませんが、こと信用を基に動いている金融業界では過去の自己破産経歴が大きなダメージとなります。
過去の自己破産が原因で新たなローンやクレジットカードの審査に通らないという人も多いのではないでしょうか。ここでは自己破産による信用情報への影響と、そんな自己破産者でもカードローンが利用できる可能性はないかどうか考えてみましょう。また、自己破産者でも作れるクレジットカードについてもご紹介します。
目次
今もなお増える自己破産者が問題に
バブル崩壊などによる多重債務者や自己破産者の増加への対策として、貸金業法が改正されグレーゾーン金利が撤廃されました。過払い請求の広く知られるようになり、以後自己破産者数は減少し続けていました。
確かに以前は敷居の高かった銀行カードローンが、数年前から一気に手軽に借りられることをアピールして大々的に宣伝を行うようになりましたよね。背景には、貸金業者が改正貸金業法の総量規制によって貸すことのできない人たちが増えたこと。銀行が大手消費者金融を傘下に加えることでノウハウを得て個人向け融資が容易になってことがあります。
もちろん劇的に景気が良くなったようなこともありませんので、結果的にお金に困った人が規制の無い銀行カードローンにも集まってしまったということになります。消費者金融に比べると低金利とはいえ、中には返済に行き詰ってしまう人も出てきている←今ここ、といったところでしょう。
銀行の貸し過ぎは国会や金融庁でも問題とされ、2018年に入ってからは銀行カードローンも新規の貸付けには慎重になるように変化しました。現在では銀行側も自主規制を行い、消費者金融と同じく総量規制の範囲内程度での貸付けが主流となっています。
こうなるとお金に困っている人は本格的に受け皿を失ってしまいますので、今後も自己破産者の微増はしばらく続きそうです・・・。
自己破産と信用情報-自己破産者がカードローン審査に通らない理由
自己破産して借金が免責されたからといって、すぐに日々のお金に困らなくなるという人ばかりではないでしょう。以前のようにグレーゾーン金利での返済を続けていた人ならば、過払い金の返還分で借金がチャラになるようなケースもありました。ですが、改正貸金業法施行以降に借りた人にはそんな逆転劇も期待できません。
そんな人にとって「今月あと少し生活費が足りない」という切実な場面もあるでしょう。しかしほとんどのカードローンでは審査を通ることが難しいのです。それは「信用情報」という存在があるからなのです。
信用情報とは?
個人信用情報とは、第三者機関である信用情報機関が保管する個人の金融商品の取引に関する現在から過去の情報が記載されている個人情報です。各個人信用情報機関に加盟している金融機関(銀行や消費者金融業者、信販会社)が、新規の申し込みの際の審査や、利用中の与信などの際に照会して参考材料とします。
自己破産者の信用情報に記載されている情報
過去に自己破産した人の信用情報には、「法廷免責」「破産申立」といった記載がされています。これにより、「この人は何年の何月何日に自己破産しているんだな」ということが分かるようになっています。
自己破産者はカードローン審査に絶対通らない?
銀行はもちろん大手消費者金融でも信用情報に自己破産の経歴がある人に積極的に新規貸し付けを行うことはありません。少しきつい言い方をすれば「過去に借金を踏み倒した人を信用してお金を貸すことはできない」と判断するのです。
ましてや経済的にも厳しい状況が続く現在の日本の状況では、リスクを負って新たな貸付を行おうとはしません。自己破産どころか、過去に延滞の記録があるだけでもカードローン審査通過は難しいのが現状なのです。いわゆる金融ブラックリストに入っているといわれる状態ですね。
では、自己破産者は絶対にカードローン審査に通らないのかというと必ずしもそうではありません。カードローンの審査基準や審査方法が一般に公表されることはありませんので、あくまで口コミや体験者の報告で推測するしかありませんが、条件が合えば自己破産者でもカードローンを利用できる場合があります。
自己破産者でもカードローンが利用できる条件は?
以下に挙げる条件に当てはまれば絶対に利用できるという訳ではありませんが、利用できる可能性がある条件といった程度で参考にして下さい。
自己破産後3年以上経過している
自己破産から3年以上経っていれば審査の対象とする消費者金融業者は多いようです。ただし融資額は10万円以下という場合がほとんどです。
現在の属性が優良
年収や勤続年数といった本人の属性が極めて良い場合にも審査対応するケースがあります。
破産後の信用情報が優良
自己破産後に新たな借り入れや延滞などが無いというのは重要な条件です。もちろん新たな借り入れができないことの方が多いでしょうが、例えば商品代金の分割払いなどで返済期間に遅れることなく返済額を完済している履歴が多ければ好印象です。
クレジットカードを滞りなく延滞情報もなく定期的に利用しているといった場合も信用情報の信用度がアップしますね。
信用情報の自己破産記録が消えるのはいつ?情報の保持期間は?
先ほど3年以上経過しているとカードローン審査に通る場合があると述べましたが、もっと確実なのは5年以上経過している場合です。
ただし、銀行が加盟するKSC(全国銀行協会)では最長10年間記録を保持します。つまり銀行からの借入れを含んで自己破産した場合、10年間は記録が残ってしまうということです。
まとめると、自己破産後にカードローンを利用したいという場合には、破産後3年以上経ってから銀行以外のカードローンに10万円以下の希望額で申込めば希望があるということになります。それ以上の額が必要な場合には、10万円以下の利用で実績を積んでから増額審査を受けるといった流れが堅実でしょう。
ただし、信用情報が消えても自社で記録を保持しているケースは多いです。例えばA社からの借金を10年前に自己破産していたとして、信用情報からは記録が消えていてもA社では記録が残っていたとします。そこへA社に新たに借入れの申し込みをしても・・・。
自分に置き換えて考えてみましょう。10年以上前ではあっても貸したお金を返してくれなかった知人に、改めて「お金を貸してくれ」と言われたらどうでしょう?なかなかすんなりと貸す気にはなれませんよね。
過去に迷惑をかけた金融会社に新たな融資を期待しない方が賢明でしょう。また、最近では大手消費者金融が銀行カードローンなどの保証会社になっている場合も多いです。自分が過去に自己破産で借金を免責になった業者が保証会社になっているカードローン商品はなるべく避けた方がよいでしょう。
信用情報が不安な場合は開示請求を!スーパーホワイト対策も検討して!
各信用情報機関での保持期間が過ぎると、随時該当する情報は削除されますが、登録した業者が削除申請する訳ではなく各情報機関が行っています。中には件数が多い場合など削除もれがある場合もあります。
もし破産後の保持期間は過ぎているけど不安だという方は、各信用情報機関に自分の信用情報を開示請求することができます。
開示請求の手続き方法は各信用機関のホームページで確認することができます。信用情報の過去は消えているのに審査に落ちるという人は「スーパーホワイト」状態になっている可能性もあります。
これは自己破産の記録のおかげで10年以上信用情報になんの取引履歴も無い人のことを指します。金融機関から見ると信用情報は真っ白ということは、「過去に債務整理をした可能性が高い」と推測され、審査が慎重になってしまうのです。
これを避けるためには携帯電話やスマホの本体代金を分割にして毎回きっちり返済したりと、商品代金の分割払いを滞りなく行うことで優良な履歴を積むことができます。返済遅延がなくきっちり支払い・完済した記録が増えるほど信用度が増すという仕組みです。
自己破産者でも審査に通る可能性のあるカードローンは?
自己破産者でも審査に通りやすいカードローンとなると、どうしても大手金融会社よりも中小消費者金融業者の方が可能性が高くなります。
中には自己破産後すぐでも審査が通ったというような口コミのある業者もあります。中小消費者金融業者にしてみれば、顧客を獲得するためには多少のリスクのある貸し付けでも目をつむるという状況なのでしょう。
中小業者の中でも比較的優良業者として実績のあるカードローンをいくつかご紹介します。サラ金、街金といったイメージはあるかもしれませんが、実績のある業者を選ぶことをおすすめします。
フクホー
金利7.30%~18.00%(実質年率)で、融資限度額は200万円まで。創業50年を超える中小の中では安心感の高い業者です。レディースローンもあります。
キャッシングのアロー
金利15.00%~19.94%(実質年率)で、融資限度額は200万円まで。金利は少し高めなので借入額が少なめの方向けです。
ライフティ
金利8.0%~20.0%(実質年率)で、融資限度額は500万円まで。比較的新しい業者ですが、35日間の無利息期間が魅力です。少額を短期間という方には使い勝手が良いでしょう。
キャッシングのフタバ
金利14.959%~17.950%(実質年率)で、融資限度額は50万円まで。こちらも創業50年を超える老舗です。融資金額は少なめですが、金利が少し低めで30日間の無利息サービスがあります。
キャッシングエニー
金利5.0%~20.0%(実質年率)で、融資限度額は500万円まで。条件の悪い人でも借りられるという口コミの多い業者でもあります。
しかし、借りるということはその後に返済をするということです。毎月決まった日に元金だけでなく利息分も含めて返済を続けなければなりません。そうなると、金利や返済方法の利便性を無視することはできませんよね。
切羽詰まっているからといって条件の悪い業者から借りるよりは、大手消費者金融業者から借りる方が得策だと個人的には思います。もちろん法外な高金利で貸し付ける闇金やソフト闇金から借りるようなことのないようにしましょう。
どうしてもダメな場合は担保や保証人の要るローンを
信用情報や現在の属性もあまりよくない場合には、無担保のフリーローンは難しい場合もあります。それでもどうしてもお金が必要という場合には、担保・保証人を付けて借りるという方法もあります。
カードローンのように気軽に借りられるローンではありませんが、ちゃんとした担保や連帯保証人を立てることができれば例え無職でも借りられる場合もあります。もちろん返済ができなくなってしまった場合には、担保の場合は没収され、保証人がいる場合には返済は保証人が受け継いで行うという契約になります。
返済計画がしっかりとできていることはもちろんですが、借りる先も銀行や銀行系のような信頼できる金融機関を選ぶことが大切でしょう。くれぐれもヤミ金まがいの怪しい業者に家を担保に大金を借りるなどしないようにしましょう。
最悪の場合、お金ばかりか住むところまで失ってしまうことになりかねません。
また、もし現在また借金の返済で困っているのであれば、再び債務整理という道も検討してみましょう。「一度自己破産しているのにまたなんて・・・」という気持ちもあるでしょうが、先が見えない借金生活はあなた自身を壊してしまうこともあります。
借金問題に詳しい弁護士に相談するのもいいですし、法律相談に対する弁護士回答を集めたサイトなどもありますので自分で調べることもできるでしょう。あなたの人生や命はお金に替えることはできないのです。
自己破産者でも作れるクレジットカードは?
優良な信用情報履歴を作るためにもクレジットカードがあったらいいなと思う人は多いでしょう。しかし自己破産経験はクレジットカードの審査にも大きくマイナスな影響を与えてしまいます。ここでは自己破産者でも作れる、比較的作りやすいクレジットカードをご紹介します。
デビットカード
デビットカードとは、クレジットカードのように加盟店で利用できるカードです。通常は銀行が国際ブランドと提携して発行します。審査がありませんので自己破産の過去も関係なくクレジットカードとして利用できるカードが作れます。
デビットカードの一例をご紹介します。
三菱UFJデビット
JCBとVISAの2タイプから選べます。利用した代金は銀行口座から即時引き落としで、利用限度額の設定もできます。ショッピング保険、不正利用補償付き。スマートフォン決済サービス「Google Pay」に対応しておりスマホでのお買い物が可能です。
三井住友銀行SMBCデビット
VISA加盟店で銀行口座から即時引落しで決済ができます。利用に応じてSMBCポイント付与かキャッシュバックのサービスがあります。
楽天銀行デビット
JCBとVISAから選ぶことができます。100円で1ポイント還元(楽天スーパーポイント)。
外資系クレジットカード
外資系のクレジットカード審査は日本のクレジットカードより現在の属性(返済能力)を重視する傾向があるといわれています。自己破産から5年以上経過していて、現在安定した収入があるならばまずは外資系クレジットカードを狙ってみることをおすすめします。
有名なところではアメックス・グリーンカードが入門編としておすすめです。
消費者金融系クレジットカード
信販系に比べて審査が甘いという評判が多いのが消費者金融系クレジットカードです。アコムが発行するACマスターカードでクレジットヒストリーを積むという人も多いようですね。
キャッシング枠を無しで申込む
クレジットカードにはショッピング枠と別にキャッシング枠として現金が借りられる限度額が付与されるケースが多いです。しかしこのキャッシング枠を0円で申込むと審査が通りやすくなるという体験談が多いです。
ショッピング枠のみのクレジットカードでも、信用情報の履歴を作ることはできますので検討してみてはいかがでしょう。特に、キャンペーン中などで大々的に入会の勧誘をしているクレジットカードは通りやすいという口コミが多いですね。
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