キャッシングに関わる法律を知っておこう 【貸金業法・改正貸金業法】
「キャッシングは借金だから何だか怖い・・・」と思っている人も多いのではないでしょうか?確かにバブル期以降、キャッシングにまつわる嫌なニュースや話題が取り上げられてきました。
しかし、現在では新たな法律が施行され、消費者金融のキャッシングも大きく様変わりしています。以前に比べ、健全で安心して利用できるキャッシングサービスが提供されているのです。
というよりは、健全なサービスでなければ生き残れないような状況になっています。「よく知らないことは不安になる」というが人間の心理ですよね。
キャッシングに関する法律を知っておけば、キャッシングで失敗することも防げるのです。
貸金業法とは?
消費者金融業者をはじめ、多くのキャッシングサービスを提供する業者は、貸金業法(かしきんぎょうほう)に基いて営業しています。まずは、簡単な歴史を振り返ってみると、もともとは昭和58年に「貸金業の規制等に関する法律」として成立します。
時代とともに改正を続けていましたが、バブル期以降の多重債務者や自己破産者の増加、果ては借金苦による自殺者といった社会問題を踏まえ、平成18年(2006年)に大きな改正が行われました。
この改正は段階を追って適用され、最終的に平成22年(2010年)に完全施行されるのです。
現在の貸金業法はこうした背景を踏まえ、簡単に言うと「借りる人を守る立場」で作られています。法律が借りる人の味方に付いていますので、実に安心して利用できるキャッシングへと生まれ変わったのです。
一般に「改正貸金業法」と呼ばれていますが、この法律の施行前と後とでは、キャッシングがまるで違うものであるという見方が強くなったのです。
改正貸金業法で何が変わった?
数多く改正点のある改正貸金業法ですが、私たち利用者にとって大きな3つの変更点を知っておきましょう。
1.総量規制の導入
かつては個人に貸し付ける額については、それぞれの業者による独自の判断に任されていました。それによる過剰な貸し付けなどが、多重債務者や自己破産者を生み出すことにもつながっていました。
そこで、改正貸金業法では、ハッキリと個人の借りることのできる額を「年収の3分の1まで」と決定したのです。これが、総量=借りられる総額の規制、総量規制ということです。
2.指定信用情報機関制度の導入
総量規制をするためには、個人の借り入れ総額を業者側でも正確に把握する必要があります。そのために個人の「信用情報」を共有するシステムが強化される流れとなりました。
改正貸金業法施行の前からも、各業者間による信用情報の共有は行われていましたが、異なった信用情報機関との連携が薄く、完全に総額を把握するのは難しかったという背景もあります。
指定信用情報機関に加入することで、無理な貸し付けが行われることがなくなったのです。
3.利息制限法と出資法によるグレーゾーン金利の撤廃
これからキャッシングを利用する人にとっては、あまり関係のないことですが、以前の貸金業者は「利息制限法」と「出資法」という2つの法律によって営業していました。
利息制限法では上限金利が20%だったのに対し、出資法では29.2%とされていました。この2つの金利上限の間がグレーゾーン金利と呼ばれています。貸す側の業者にとっては、当然高いグレーゾーン金利で貸し付けていました。
利息制限法には罰則が無かったため、どんな大手消費者金融も出資法の上限だけを守っていたのです。
その後、最高裁などでグレーゾーン金利での返済は「みなし弁済」(一定の要件を満たすと正当な利息とみなす)と認められないとされ、その分は「過払い金」として返還を要求できるようになりました。
改正貸金業法ではグレーゾーン金利などはなく、金利の上限は20%とハッキリと定められました。このため、現在のキャッシングでは、銀行などのカードローンに比べても驚くほど高い金利が適用されることはなくなっているのです。
これからキャッシングを利用する方は、難しい法律を覚える必要はありませんが、貸金業法に基いて営業している業者のキャッシングならば、年率20%を超える利息は取られないと理解しておけば良いでしょう。
過払い請求とは?
改正貸金業法の完全施行により、グレーゾーン金利が撤廃されました。そればかりか、過去にグレーゾーン金利によって支払った利息を取り戻す請求もできるようになったのです。
最近よく耳にする「過払い金返還請求」とは、過去の法定金利以上で支払った利息の返還を請求することを指します。個人で請求することもできますが、引き直し計算などの面倒な作業が多いため、弁護士や司法書士といった専門家に依頼する方が多いようですね。
無料相談を行っている事務所も多いですし、費用面で不安がある方には法テラスといった相談窓口もあります。過払い金が発生している可能性のある方は、検討してみる価値があるかもしれませんね。
また、過払い金返還請求には期限がありますので、請求を考えている方は早めに確認しておきましょう。
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