カードローンと保証会社の関係を知って審査通過を目指そう!
個人向け融資のカードローン商品は、ほとんどの場合が担保・保証人不要となっています。担保や保証人の代わりに「保証会社」が利用者の保証業務を行う仕組みになっています。
ここではカードローンと保証会社の関係についてご説明します。
実は、カードローンの融資審査を実際に行っているのはほぼ保証会社という場合が多いのです。「なぜか分からないけどカードローン審査落ちしてしまう」という方は、もしかすると保証会社に鍵が隠されているかもしれませんよ。
現在の銀行カードローン商品のほとんどが、消費者金融業者が保証会社となっています。そうなったいきさつから、実際の審査にどういった影響があるのか?考えてみましょう。
また、各銀行カードローン商品の保証会社一覧をご紹介しますので、保証会社からカードローンを選ぶという方法も審査通過の可能性が高くなるかもしれませんよ!
目次
グレーゾーン金利と過払い金が消費者金融と銀行を近づけた?
2007年に改正貸金業法が完全施行されるまで、ほとんどの貸金業者が「グレーソーン金利」と呼ばれる高い金利での貸付けを行っていました。
利息制限法の上限金利を上回り出資法の上限金利までで貸付けを行うことに対する罰則が無かったため、その間の金利がグレーゾーンとなり、多くの貸金業者(消費者金融や信販会社、一部銀行も)がそのグレーゾーン金利で貸付けを行うことが当たり前となってしまっていたのです。
私たち利用者にとってみれば、無駄に支払っていたお金が戻ってくるのですから喜ばしい限りの流れだったのですが、ここで苦しくなってくるのが貸金業者、特に消費者金融業者なのです。過払い請求は過去の判例からほぼ全てが認められ、消費者金融業者側は多額の払い戻しに対応しなければならなくなったのです。
かつて最大手消費者金融業者であった武富士の経営破たんのニュースを覚えている方も多いでしょう。中小消費者金融業者はもちろん、大手業者であっても過払い金の支払いはその経営を大きく揺るがす事態となったのです。
ここで登場するのが銀行です。
消費者金融業者が持つ個人向け融資のノウハウや顧客情報などは銀行側にとって大きな魅力ですから、続々と大手消費者金融業者を自行の傘下グループ企業への編入させたのです。消費者金融業者側にとっても、銀行の安定した資本と高いブランドイメージが手に入ることは大きなメリットとなります。
こうしてほとんどの大手消費者金融業者がメガバンクの傘下企業となっているのです。
銀行カードローン急成長の裏に消費者金融あり?!
かつては「銀行のローン」というと少し敷居が高いイメージがありませんでしたか?「審査が厳しそう」「そもそもアルバイトじゃ断られそう」など。金利が低いことは魅力ですが、なかなか手が出しづらいローンという存在でしたよね。
しかしここ数年、メガバンクはもちろん多くの都市銀行・地方銀行が個人向けのカードローン商品を大々的に展開し始め、当然のごとく幅広い層の利用者を取り込むことに成功しました。この急成長を支えたのが何を隠そう傘下の消費者金融業者の存在なのです。
カードローン商品を扱う上で最も手間のかかる作業が「与信」です。与信とは「この人にお金を貸して大丈夫か?いくらまでの上限金額なら貸せるか?」といったことを判断する作業です。つまり、カードローンの審査作業ですね。
銀行は貸付け業務以外にも、預金や投資など様々な業務を行っています。金額が大きな法人向けの事業性融資や、住宅ローンや自動車ローンなどに関しては得意とするところですが、個人向けのフリーローンのノウハウは少し弱い面がありました。そこで、傘下企業である消費者金融業者が申込者の保証業務を請け負うことで、審査作業の効率が格段と良くなったのです。
また、銀行では貸付けに際して貸金業法の総量規制対象外となります。このため消費者金融では借りられないという人の借入先の受け皿にもなっていったのです。
(なお現在では、逆に銀行カードローンの過剰貸付けが問題となってしまい、各銀行とも自主規制を設けおおよそ総量規制に沿った貸付けをするようになっています。)
カードローン保証会社ってどんな役割をしているの?
では具体的にカードローンの保証会社はどういったことを行っているのでしょう?
保証会社の役割は大まかにいうと二つあります。
・債権の保全
審査は契約時の審査業務ですね。
個人信用情報機関を参照したり、申込み者の勤務先へ電話連絡して在籍確認を行ったりという実務も含まれます。利用限度額や適用金利といった最終判断まで保証会社である消費者金融業者が受け持っていた場合が多いようです(最近は銀行自体も審査に関わるようになっているようです)。
「債権の保全」とは、簡単にいうと「借金の管理」ということになります。保証会社の最大の役割は、万が一利用者が返済不能となった場合に代わりに返済する(代位弁済)ことですが、同じグループ企業ですので、延滞の督促や返済状況の管理といった業務も保証会社である消費者金融業者が受け持つ場合が多いようです。
こうしてみると、銀行カードローンを大きく支えているのが保証会社である消費者金融や信販会社だということがよく分かりますね。近年の銀行カードローンの手軽さの理由が消費者金融にあるということでしょう。
ちなみに連帯保証人を立てている融資の場合、本人が支払えなくなると保証人に全額返済義務が変更になります。「保証人になる時には慎重に」とよくいわれるのはこのためですね。
保証会社がカードローン審査に与える影響は?
では、銀行カードローンの審査ではどれくらい保証会社が影響を与えているのでしょうか?
実は、実質的なカードローン審査はほぼ保証会社が行っていると考えてよいでしょう。前述した通り、融資対象者の信用情報機関への確認や勤務先への在籍確認などは保証会社が行います。
一時期銀行カードローンの審査時間が「最短30分」といったように飛躍的に早くなったのも、ノウハウを持った消費者金融業者が審査業務を行うようになったためなのです。
現在銀行では、さらに警察庁データベースへの照会を行うようになったため、審査期間は「最短でも翌営業日」というように変化しています。即日融資は難しくなり、審査に少し手間がかかるようになっています。
銀行カードローンの保証会社一覧
では具体的に主要な銀行カードローン商品の保証会社一覧をチェックしてみましょう。銀行による審査もありますが、基本的には保証会社が審査基準のキーポイントとなっていますので、カードローン選びの参考になるでしょう。
・三井住友銀行カードローン→SMBCコンシューマファイナンス株式会社
・みずほ銀行カードローン→オリエントコーポレーション
・りそな銀行「りそなプレミアムローン」→オリックス・クレジット株式会社
・オリックス銀行カードローン→オリックス・クレジット株式会社または新生フィナンシャル株式会社
・楽天銀行スーパーローン→楽天カード株式会社または株式会社セディナ
・じぶん銀行カードローン→アコム株式会社
・イオン銀行カードローン→イオンクレジットサービス
・セブン銀行カードローン→アコム株式会社
・住信SBIネット銀行「ネットローン」→SMBCコンシューマファイナンス株式会社
・ジャパンネット銀行「ネットキャッシング」→SMBCコンシューマファイナンス株式会社
また、オリックス銀行やイオン銀行のように自行直系の保証会社の場合、独自審査の可能性も高いと考えることもできますね。
ちなみにカードローン商品の宣伝ページなどで保証会社が明記されていない場合、カードローン商品の「商品概要書」を確認すると記載されています。
信用情報から消えた過去がカードローン審査に影響する?!
消費者金融業者や信販会社が銀行カードローンの審査を行うことで、少し注意が必要な場合があります。それは、過去の任意整理や自己破産といった債務整理を行った経験がある方の場合です。
任意整理や自己破産といったいわゆる金融事故情報は、一定の保持期間を過ぎると信用情報から削除されます。通常その後のカードローン審査やクレジット審査で影響が出ることはないのですが、保証会社に迷惑をかけた過去がある場合には別なのです。
例えば、10年以上前にプロミスの借金を任意整理して完済いたとします。完済後10年も経てば信用情報には何の記録も残っていませんよね。現在の収入やその他の信用情報記録に問題がなければ、新たなカードローンの審査も問題なく通過するでしょう。
しかし、新たに三井住友銀行カードローンに申込みをしたとします。この場合は保証会社であるSMBCコンシューマファイナンス株式会社が審査を行います。SMBCコンシューマファイナンスはプロミスを運営している会社ですので、自社に過去の債務整理の記録などの個人情報を保持している可能性があるのです。
誰だって過去に契約を守らなかった人を信用するのは難しいですよね。信用度が大きな影響を持つカードローン審査内容では、リスクのある不利な条件となってしまうのです。
もしあなたが過去に、債務整理や延滞などのネガティブな情報を信用情報に残した経験があるのであれば、新たにカードローンを申込む際には”過去のある金融機関”が保証会社のカードローン商品への申し込みは避けた方が賢明でしょう。
また「何でか分からないけど審査に落ちてしまう」という人も、保証会社との”過去”を見直してみると原因が判明するかもしれませんよ。
ちなみにクレジットカードの新規カード発行審査やキャッシング審査でも同じことが言えます。過去に自己破産した信販会社が保証会社をしている金融商品の場合、信用情報上ではすでに消えている情報であっても慎重に新規申込みを検討することをおすすめします。
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