カードローンで他社借入れがあるとクレジットカードの審査に通らない?
キャッシュレス化が進む現代社会では、クレジットカードを使った決済が当たり前になっていますよね。
実店舗でのショッピングに限らず、ネット通販やサービス業の会員登録にクレカ情報が必要というケースも増えています。
あると便利なクレジットカードですが、当然、入会する際には審査があります。
申し込めば誰でも使える訳ではないので「審査が不安」という方も多いでしょう。
特に、すでにカードローンなどで他社からの借入れがある方にとって、クレジットカードの審査は不安が大きいようです。
そこでここでは、クレジットカードの審査基準や、他社借入れがどう審査に影響するかについて考えてみましょう。
また、クレジットカードの審査に落ちる人の傾向や、他社借入れがあっても作れる・作りやすいクレジットカードをご紹介します。
目次
クレジットカードのショッピング枠・キャッシング枠の限度額審査の基準について
まずはクレジットカード審査の基本について知っておきましょう。
クレジットカードの申込み条件には、たいてい「年齢18歳以上」「安定した収入のある人」程度の条件しかありませんよね。
しかし、発行時の審査ではもちろんその他の条件(属性)について審査が行われます。
カードローンの審査でも同じですが、審査基準が一般に公開されることはありませんし、審査に落ちた理由を問い合わせても答えてくれることはありません。
ただし、ショッピング枠、キャッシング枠それぞれの利用限度額の審査基準に関しては、絶対的な基準が存在します。
ショッピング枠は割賦販売法が基準
クレジットカードの主な目的は、商品やサービスの対価を支払う際に利用することになります。
一時的に代金をクレジット会社・信販会社が立て替えるという性質になるため、「割賦販売法」に基いて運営されています。
この割賦販売法では、利用限度額は「年収から年間に必要な生活費を差し引いた金額を基準とする」という決まりになっています。
年間に必要な生活費とは、年収の85%~90%程度とされています。
基本的にこの基準以上の限度額が与えられることはありません。
(ただし、生計を共にする配偶者にも収入がある場合、合算した年収を考慮される場合もあります。)
キャッシング枠は貸金業法が基準
商品やサービス代金の支払いが目的のショッピング枠と違い、現金を貸すことになるキャッシング枠では貸金業法に基づいた運営がされます。
当然、総量規制の対象となりますので、キャッシング枠の利用限度額は、年収の3分の1までとなります。
クレジットカード会社は信用情報でカードローンの借入額が分かる?
クレジットカードの申込書などには、他社借り入れ件数や他社借入れ金額を記入する項目がありますよね。
「クレジットカードとカードローンでは違うものだろうから、ちょっと少なく申請しても大丈夫なんじゃない?」などと思ってしまう方も多いようですが、大きな間違いですよ!
クレジットカードのショッピング機能については割賦販売法に基づく、言うなれば商品代金やサービス代金の「立て替え機能」ですので、確かにカードローンなどの金融商品とは違います。
しかし、クレジットカードのキャッシング機能は、そのものズバリ「現金を貸す」ことになり、消費者金融系カードローンと同じ貸金業法の規制を受けるのです。
ご存知の方も多いでしょうが貸金業法が改正されて以来、過剰融資、つまり「貸し過ぎ」が無いように、どの金融機関も貸金業法の総量規制を厳格に守るようになっています。
総量規制では、申込者本人の年収の3分の1を超える新たな貸付けはできないと定められているのです。
では「わたしが借りているお金をどうやって調べているの?」かというと、”信用情報”というものを参照しているのです。
個人信用情報は第三者機関である「信用情報機関」で管理されています。
現在、日本では以下の3つの信用情報機関があります。
主に銀行が加盟している信用情報機関です
クレジットカード会社・信販会社、消費者金融業者が加盟しています。
消費者金融業者、クレジットカード会社・信販会社が加盟しています。
割賦販売法に基づく指定信用情報機関がCIC、貸金業法に基づく信用情報機関がCICとJICCとなっています。
ですので、クレジットカード会社は必ずCICに加盟しています(さらにJICCにも加盟している場合も多いです)。
「じゃあ参照している信用情報機関が違っていれば、他社の借入れ額は分からない?」と思うかもしれませんが、実は信用情報機関同士で情報を共有しています。
法律である総量規制を遵守するためにも、重要な項目は盛んに共有されているのです。
特に「他社借入件数」「他社借入額」「金融事故情報」「本人を特定する情報」については、どの信用情報機関でも共有されています。
「審査が不安だから他の借金のことは隠して申込んじゃえ!」という考えは、信用情報を参照されて簡単にバレてしまうということなのです。
その上「この人は嘘の申告をした」という印象の悪さまで与えてしまいますので、百害あって一利なしなのです。
借入状況や返済状況は全て信用情報でお見通しです。
クレジットカードやカードローンといった信用取引の契約では、あなたの信用を担保にして代金の建て替えをしたりお金を貸したりします。
信用を損ねる行為は何よりしてはいけないことなのです。
銀行カードローンの借入れはクレジットカードの審査に関係ない?!
クレジットカードのキャッシング枠も、消費者金融カードローンの借入も総量規制の対象となりますが、銀行カードローンは総量規制対象外となります。
そのため、クレジットカードの申込みの際、銀行系カードローンの借入は申告しなくてもよい場合さえあります。
また、銀行の住宅ローンや自動車ローンの利用状況もクレジットカードの審査にはほぼ関係ありません。
そもそもクレジットカード利用者の主な目的はショッピング枠、つまり買い物の際に利用するものです。
キャッシング枠=お金を貸すことは”オマケ”的な存在なのです。
なので、クレジットカード会社の審査で他社からの借入額を深く詮索することは少ないとされています。
クレジットカードの利用条件に当てはまっているのであれば、カード発行自体は問題なく行われ、他社借入額などは利用限度額に影響する程度と考えてよいでしょう。
ただし、延滞や債務整理とった金融事故情報が信用情報に記録されている金融事故者の場合には、当然審査は厳しくなります。
収入証明書が必要になる場合がある?
通常のクレジットカードの申込みで収入証明書の提出を求められることはまずありません。
しかし、キャッシング機能の付いているクレジットカードでは、貸金業法に基いて以下の条件の場合には収入証明書の提出が必要となります。
・他社借入れ金額とキャッシング希望額との合計が100万円を超える場合
これは貸金業法という法律で定められている決まりですので、例外はありません。
クレジットカードの発行審査に落ちるのはこんな人!
カードローンを利用中であってもクレジットカードの発行審査が極端に不利になることはありません。
審査に落ちてしまうのは、キャッシング機能を希望して、なおかつ他社借入れ金額との合計が総量規制を超えてしまう場合でしょう。
他社借入れが多くて審査が不安という方は、申し込む際にキャッシング枠の希望額を0円にして申請するのもよいでしょう。
「クレジットカードも欲しいけどお金も借りたいんだ!」という方もいらっしゃるかもしれませんが、クレジットカードはキャッシングをメインにした商品では無いことを知っておきましょう。
また、キャッシング枠は貸金業法の総量規制を遵守しますので、年収の3分の1以上のキャッシングは不可能ということもふまえておきましょう。
もしすでに借入残高が総量規制を超えてしまっているのであれば、おまとめローンや借換えローンといったローン商品を検討してみる方が得策でしょう。
金利面で考えてみても、クレジットカードのキャッシングは決して低金利ではないですよ。
「借金の返済額が厳しいからクレジットカード作ってキャッシングしたい!」という利用目的は賢明ではありません。
また、申込情報で虚偽の申告をするとほぼ審査で落とされます。
他社借入額や借入件数は信用情報で確認されますし、勤務先や居住地といった個人情報なども申請された内容の確認が取れないと審査に不利となります。
「バレなければいいか」は通用しないので、申し込み事項は正直に申告しましょう。
他社借入れがあっても大丈夫なクレジットカード
「カードローンの利用状況が心配。審査の甘いクレジットカードはないかな?」
クレジットカードの審査基準を私たちが知ることはできませんが、現在ではインターネットの口コミ情報などで各クレジットカードの審査傾向を知ることができるようになりましたよね。
そこで、比較的「審査が甘い」と噂されるクレジットカードをご紹介します。
あくまでネット上での噂といった程度の参考情報として検討してみましょう。
審査通過しやすいカードとして最も有名な楽天カード。
年会費無料で楽天スーパーポイントといった使いやすいポイントが貯まるところも魅力ですね。
大手消費者金融アコムのマスターカードです。
通常のクレジットカードとは審査基準が違って、審査に不安がある人にも人気です。
イオン銀行の口座を持っていると審査に通る可能性が高くなるといわれています。
イオンでのお買い物で割引サービスがあります。
これでもダメだったという方には「ハウスカード」という手段もあります。
ハウスカードとは、カードを発行する会社の運営する店舗など限られた範囲でしか使えないカードです。
審査難易度の最も低いクレジットカードで、返済能力に不安がある場合でも「ハウスカードならいいですよ」というケースもあります。
とはいえ立派にクレジットカードですので、信用情報履歴、いわゆるクレジットヒストリー(クレヒス)を積むことができます。
ハウスカードで優良なクレヒス・利用履歴を積んでから一般クレジットカードに挑戦という方も多いですよ。
コスモ石油のコスモ・ザ・カード、マルイのエポスカード(旧・丸井の赤いカード)などが有名ですね。
どうしてもクレジットカード審査に落ちてしまう場合
最終手段として「デビットカード」「プリペイドカード」という方法があります。
デビットカードは自分の銀行口座にある金額を上限にクレジットカードと同じように使うことができます。
プリペイドカードはあらかじめ入金してある金額を上限にクレジットカードとして利用することができます。
どちらも審査無しで誰でも作ることができますので、「審査には落ちてしまうけれどクレジットカードが必要」という方の助けとなるでしょう。
ただし、クレジットカードが使えるサービスでも「デビットカード・プリペイドカード不可」という場合もありますので注意しましょう。
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