過払い請求とは?過払い請求するとブラックリストに載る!?
テレビのCMや電車の公告で「過払い請求でお金が戻る!」という宣伝をよく目にしますよね。
苦労して借金を返済している人にとっては、興味のあることでしょう。
実際に過払い請求することによって、残りの借金と相殺して返済生活から抜け出した方も多くいらっしゃいます。
ここでは過払い金とは何か、過払い請求の方法、過払い請求とブラックリストの関係について知っておきましょう。
目次
過払い金とは?利息制限法とグレーゾーン金利
そもそも過払い金とは何なのでしょう?
以前、貸金業では「グレーゾーン金利」と呼ばれる金利が存在していました。
貸金業法の利息制限法と出資法とで上限金利に違いがあったためです。
後年それが違法とされ、利息制限法での上限金利以上で支払った利息については、返還される事例が増えたのです。
貸金業法が改正されてからは、グレーゾーン金利も撤廃され、現在はどこの金融業者も低い制限金利内でキャッシングできるようになっています。
改正貸金業法の施行が2010年(平成22年)6月18日ですので、それ以前にキャッシングを利用して利息を払っていた人には、過払い金が発生している可能性があります。
過払い請求の方法は?手続きはどうやってやるの?
過払い金を請求して受け取るまでの大まかな流れを知っておきましょう。
取引履歴の開示請求
過払い金が発生していると思われる金融機関へ、過去の取引履歴の開示請求をします。
引き直し計算
取引履歴を正当な法廷金利で計算し直し過払い金の額を確定させます。
これを「引き直し計算」と呼びます。
貸金業者との交渉
過払い請求への対応は各業者によって違いがありますが、業者側から返済額の提示があります。
ここで納得すれば和解となり、業者から提示された額が返還されます。
和解せずに裁判
提示額に納得いかなければ訴訟提起することになります。
この段階で提示額を上げてくる業者も多いです。
過払い請求は個人で行うこともできますが、大まかな流れだけみても手間や時間、また業者側との交渉など精神的負担が大きいことが分かりますね。
裁判ともなればその苦労はより大きくなりますし、返還までの期間も1年程度かかってしまうことになります。
また、引き直し計算は非常にややこしい計算をしなければならないため、計算間違いをしやすい作業です。
請求した過払い金額が正確でないと請求を受付けてもらえない場合もあります。
さらに業者との交渉や裁判ともなると、素人では失敗するリスクの大きい作業となってしまいます。
取引履歴の開示請求にもすぐに対応してくれなかったり、交渉の際の回答がいちいち遅いといった扱いを受けることもあります。
「自分の生活を犠牲にしてでも過払い金を取り戻す!」という信念が無いと挫折しかねません。
専門家に依頼した時点で業者側に通知がなされますので、その後は業者が直接あなたに連絡を取ることもできなくなります(電話はもちろん書面での連絡も無くなります)。
特に現在も借金を返済中で、督促の電話などで困っている方には大きなメリットでしょう。
通常の生活を続けたまま過払い金を手にすることができるのです。
ちなみに、過払い請求の時効は一般的に最終弁済から10年とされていますので注意しましょう。
請求権が時効となってしまう前に自分の過払い金を取り戻したいものですよね。
(完済から10年以上経っていても、基本契約を解約していなければ過払い請求できる場合もあります。過払い請求に強い法律事務所に相談してみましょう。)
弁護士や司法書士はどうやって選ぶ?
専門家に依頼するにしても「どこに相談していいか分からない」という方も多いでしょう。
そもそも法律事務所になじみの無い方も多いでしょう。
やはりおすすめは「過払い請求を得意とする事務所」です。
特に過払い請求の案件は、業者側との”交渉力”がポイントとなり結果(返還金額)に大きく影響してきます。
実績のある事務所ならば和解額の目安もよく知っていますので、時間をかけずに最大の結果を得やすいのです。
(※違法業者、いわゆる闇金への過払い請求を考えているのであれば、違法業者との対応に強い弁護士事務所を選びましょう。
過払い金の全額返還は難しいかもしれませんが、一般の事務所では違法業者への請求は対応してくれない場合もあります。)
また、弁護士費用や着手金、成功報酬などの支払いで不安がある方は、いくつかの事務所の無料相談を受けてみるのもよいでしょう。
法テラスのような無料の法律相談機関を利用する方法もあります。
(もちろん相談者のプライバシーは守られますので、相談内容が他人に知られることもありません。)
弁護士や司法書士は依頼者の利益を最大限守ってくれる存在です。
専門家にとって過払い請求は難しい案件ではありませんので、想像以上に簡単に解決することができますよ。
中には「あの弁護士事務所が介入したら即全額和解」と消費者金融側が決めているような強豪事務所もあるようです。
過払い請求をするとブラックリストに載る?信用情報にキズがつく?
過払い金を請求することは、消費者の正当な権利ではありますが、その一方で、過払い請求するとブラックリストに載る、つまり個人信用情報に記録が残るというデメリットの不安を抱える人も多いようです。
実は、以前までは、実際に過払い請求をすると信用情報上では、債務整理と同じ事故記録として登録されていました。
正当に自分のお金の返還を要求するだけなのにおかしな話ですよね。
その後平成19年9月以降には「契約見直し」という情報が記載されるように変わりました。
しかし、これでも業者から見れば「過払い請求した」ということが分かってしまう記録でした。
正当な要求である過払い金の請求によって、消費者が区別されるのはおかしいということになり、平成22年4月19日以降は、過払い請求を行っても信用情報には何の記載もされなくなったのです。
つまり、現在では過払い請求してもブラックリストに載る(信用情報に記録が残る)ことは一切なくなったのです。
また、以前に記載されていた記録も削除されることになっています。
(削除に関しては個人で各信用情報機関に開示要求をして確認するのがオススメです。)
過払い請求によってブラックリストに載るケース
しかし、条件によっては過払い請求することでブラックリストに載ってしまうことがあります。
・弁護士や司法書士に依頼した
以上の場合です。
過払い金が発生していなかったり、過払い金でも借金の残高を相殺することが出来ない場合(残債がある場合)には、借金は返済中のままとなります。
この場合、過払い金請求は債務整理(任意整理)として扱われてしまい、債務整理は信用情報では事故情報として記録されます。
また、弁護士や司法書士に依頼した場合、弁護士や司法書士から業者へ介入通知された時点では、債務整理という扱いになります。
その後「和解」や「判決」が出るまでの間だけは「債務整理」という状態になります。
ただし業者によっては過払い金が発生しているので、最初から債務整理扱いにはしない場合もあります。
この辺りは業者によって対応が違ったりケースバイケースになります。
過払い金が発生しているかどうか、いくらくらい発生しているかは、過去の取り引きの詳細を計算し直さないと分かりません(引き直し計算)。
引き直し計算は自分でもできますが、非常に面倒な作業になります。
過払い請求を考えているのであれば、過払い請求の経験が豊富な弁護士や司法書士に頼むのが一番でしょう。
もし過払い請求に失敗して、債務整理という事故記録だけが残ってしまったら元も子もなくなってしまいますよね。
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