多重債務者はおまとめローンと債務整理どっち?審査に通るポイントは?
いつの間にか増えてしまった借金。生活も苦しいのに無理をして返済を続けていませんか?
安定した収入があっても、複数の返済を続けていくのは難しいものです。
ましてや現在のように先の読めない世の中ならば、いつなにがあって返済に行き詰まってしまうか分かりませんよね。
もしイレギュラーな出費があったら、明日からの生活費にも困ってしまうという人も多いのではないでしょうか。
しかも真面目な人ほどコツコツと返済を続け、困ったら新たに借りるという行為を繰り返してしまい、いつの間にか多重債務者となってしまうケースが多いのです。
楽な道を選ぶことを「逃げ」とか「ズルい」と感じる気持もあるでしょう。しかし収入が劇的に増えることなどまずありません。
多重債務者となってしまった人が選ぶ道には2つあります。ひとつが「おまとめローン」、そしてもうひとつが「債務整理」です。
ここではおまとめローン・債務整理がどういうものかを知り、それぞれにどういったメリット・デメリットがあるかを理解しましょう。理解することで失敗しない借金解決の手助けとなることでしょう。
また、おすすめの銀行ローン、消費者金融系おまとめローンもご紹介します。さらに、多重債務者でも借金をまとめる審査に通るためのポイントについても考えてみましょう。いつまで続くか分からない返済地獄から抜け出す一歩を踏み出しましょう!
目次
多重債務者にこそ有利なおまとめローンの特徴
多重債務とは、複数の借入先からの借金を返済している人のことを指します。
あまり自覚のない方も多いでしょうが、例えば銀行カードローンを利用して返済していて、クレジットカードのキャッシング枠も利用したとすれば、それも多重債務ということになります。
借りたお金が少額のうちはまだよいのですが、「ちょっと足りなくて」「ちょっと出費がかさんで」と続けていくうちに、返済日に間に合わせるために借金をするようになってしまいます。
そういった積み重ねで、借入れ先3社になり4社になり・・・。
いつの間にかどこのローンも限度額ギリギリまでを借りては返すの自転車操業状態となってしまうのです。
そうなる手前でも、もしそうなってしまった状態でも利用できるのが「おまとめローン」です。
複数ある借金をひとつのローンにまとめる事で、返済しやすいローンに生まれ変わらせることができるのです。
月々の返済日もひとつになり、さらに低い金利のローンに借り換えることによって、最終的に支払う利息額も抑えることもできます。
おまとめローンが一般的な個人向けカードローンと違うところ、主な特徴をみてみましょう。
低金利
おまとめローン商品の多くが、一般的なローンと比べ低金利に設定されています。
逆に、現在の金利よりも高いローン商品にまとめたのでは、最終的に多くの利息を支払うことになり損をしてしまう場合もあります。
おまとめローンは現在よりも低い金利のものを選ぶことが鉄則です。
余裕の限度額
通常のカードローンでは基本的に、総量規制でも掲げられている「年収の3分の1」が最大限度額の目安となります。
貸金業法に則って営業している消費者金融業者はもちろんですが、総量規制対象外となる銀行カードローンでも年収を基準に限度額の審査がされます。
しかし、おまとめローンはその性質上、現在の他社からの借入総額が限度額になるとして審査されます。
年収の3分の1を超える借金がある人でも、おまとめすることにより返済が可能と見られれば貸し付けが行われるのです。
「毎月の給料はいくつもの返済をしたら、自由になるお金はおしまい・・・」
そんな生活から抜け出し、人間らしい生活を目指すことができるための金融商品なのです。
債務整理ってどういう方法?
個人では返済が難しくなった借金を、法律に基いて整理するのが債務整理です。
債務整理のやり方にはいくつかありますが、自分の借金状況や返済能力によって、過去の借金を整理することで、より良い未来の生活へのきっかけとすることができます。
債務整理の方法
任意整理
自力返済を目指す場合、債権者との話し合いにより、返済しやすい額への減額や元金のみの返済などというように整理をします。
これによって無理のない返済計画を立てられるようになります。
また、過払い金が発生している場合には精算されるため、人によっては過払い金で現在の借入残高が相殺できたというようなケースもあります。
個人再生
民事再生とも言われますが、今ある借金を大幅に減額し、およそ3年で返済するという再生計画が裁判所で認可してもらいます。
自己破産と違い、住宅などの個人資産を持ったままできる債務整理です。
自己破産
破産宣告をし、借金の支払いが不可能であることを裁判所に認められると、免責となり支払いの義務がなくなります。
ただし、一定上の価値のある財産がる場合には債権者への配当へ回されます。
特定調停
債権者との間に裁判所が入り任意整理をすることです。
債務整理は個人で全て行うこともできますが、債権者、つまり貸金業者との交渉が必要となる場合が多いため、弁護士や司法書士といった専門家に依頼する方が確実でしょう。
法律事務所でも無料相談や無料カウンセリングといった相談窓口を設けているところもありますし、費用面などで不安がある場合には、法律相談のできる法テラスといった公共機関もあります。
また、自治体などで借金問題専門の相談センターを設けている場合もあります。
過払い金について
そもそも「過払い金」というのは、利息制限法の上限金利を超えた金利を適用され支払った利息のことを指します。
平成22年6月18日に改正貸金業法が完全施行される以前、多くの貸金業者がこの上限金利以上の金利で貸し付けを行っていました(利息制限法には罰則がなかったため、出資法の上限金利までがグレーゾーン金利としてまかり通っていたのです)。
過払い金は、平成22年以前にカードローンなどを利用して返済している(いた)方であれば発生している可能性が高いです。
過払い金請求期限は最終返済日より10年間となっています。
請求期限の切れる人が多くなっている今だから、法律事務所などが過払い請求の宣伝を盛んにしていますよね。
本来自分のものである過払い金ですので、長期間の借金返済で苦しんでいる人は確認しておいた方がよいでしょう。
おまとめローンのメリット・デメリット
おまとめローンのメリット
月々の返済額を抑えることができる
おまとめすることで毎月の返済額が大幅に下る場合がほとんどです。毎月のお金に余裕ができ、落ち着いた生活を取り戻すことができます。
返済日がひとつになる
複数の借入れ先へその都度返済するのは地味にしんどい作業ですよね。借入れ先がひとつになるので、返済日は月に1回。うっかりの返済し忘れもしづらくなります。
金利が低くなる
基本的には現在の借り入れよりも低い金利のローンでおまとめすることになります。金利が低くなることで支払う利息が減ります。
返済期間にもよりますが、最終的に支払う総支払額を抑えることも可能なのです。
おまとめローンのデメリット
良いイメージがクローズアップされがちなおまとめローンですが、デメリットも考えておきましょう。
返済総額が増える場合もある
毎月の負担は減らすことができますが、それによって返済期間が長引くことも考えられます。そうなると最終的に支払う返済総額が、おまとめ前に比べて増えてしまう可能性もあります。
審査が厳しくなる場合がある
おまとめする額が大きければ大きいほど、それに伴い借金をまとめる為の審査も厳しくなると考えておいた方がよいでしょう。
また、おまとめローン商品によって、申込み条件が「正社員のみ」といったように、条件自体が厳しくなっているものもあります。
油断してまた借りてしまう・・・
おまとめローンを利用して他社を完済しますので、当然他社の利用限度額はそのまま使える状態になります。
「もう多重債務には陥らない」という決心がないと、「ちょっと使うくらいならいいか」と手を出してしまう人も多いです。
また、完済した業者から増額の勧誘がある場合も、気持をしっかり持たないと揺らいでしまうこともあり要注意です!
おまとめローンは借金自体が減る訳ではありません。
月々の生活は楽になりますが、より計画的なお金の使い方ができるようにしましょう。
個人的は、現在返済に苦しんでいるのであれば、デメリットよりメリットが上回ると思います。
将来的に住宅ローンや自動車ローンの審査への影響を懸念される方もいますが、複数の借金があるよりも、借金額は変わらないのですから1件のローンを地道に返済し続けている方が好印象でしょう。
多重債務の解消は、早めに手を打てば深刻な問題にはなりません。
「ちょっと支払い厳しいかな?」と感じたらおまとめローンを検討してみることをおすすめします。
債務整理のメリット・デメリット
「借金総額がふくれてしまい、おまとめローンを利用しても返済が厳しい・・・」
こうなったら債務整理の道を考えましょう。
債務整理のメリット・デメリットを挙げてみますので、自分にとって最善の道を見つける参考にしてみて下さい。
債務整理のメリット
借金が減る(または無くなる)
何年も返済に悩んできた借金問題から開放されます。
家計の管理だけでなく、生活そのものを取り戻すことができたと感じる人が多いです。
督促が止まる
弁護士や司法書士といった専門家に依頼した場合、その時点で業者からあなたへの督促ができなくなります。
職場への電話など、しつこい督促に悩んでいた人にとっては、落ち着いた生活を取り戻すことができるようになります。
他人に内緒で借金を整理できる
基本的に債務整理をしたことが他人にバレることはありません。
ただし、自己破産など官報に記載がされるものもあります。
債務整理のデメリット
費用がかかる
弁護士や司法書士などに依頼した場合には、実費以外にも報酬金といった費用がかかります。
ただし、借金問題を得意とする法律事務所ならば、依頼者の実情も理解してくれます。
費用の分割払いに対応しているところも多いですし、法テラスのような機関を利用する方法もあります。
個人信用情報に事故記録として記載される
債務整理をした記録は、個人の信用情報に記載されます。
債務整理の内容によって、その記録は5年~10年間ほど保持されます。
その間は新たなお金の借り入れはできないものと考えておきましょう。
また、クレジットカードの審査にも影響しますので、新規の入会が難しくなるというデメリットがあります。
いわゆる「ブラックリスト」入りした状態が続くことは覚悟しておきましょう。
さらに、信用情報から記載が消えても、借金を整理した金融業者ではその情報を保持している場合があります。
これが「社内ブラック」と呼ばれる状態です。
債務整理で迷惑をかけた業者からまた借りることは難しくなると考えておきましょう。
免責が降りない場合は地獄
自己破産の場合、あなたの支払い能力が無いということを裁判所が認めれば「免責」といって、借金を返済する責任が免除されます。
まれに免責が認められない場合、破産宣告だけしてさらに借金の返済も続けなければならないという地獄が待っているのです。
免責が認められない理由(免責不許可事由)は色々とありますが、ギャンブルや浪費によって財産を減少させた場合も含まれています。
「パチンコで借金できちゃったけど自己破産すればいいや!」などという態度では免責が認められないこともあるということなのです。
保証人がいる場合には保証人に迷惑がかかる
裁判で借金が免責となっても、保証人を立てていた場合には、債権者は保証人に請求することができます。
つまりあなたの借金をそのまま保証人がかぶることになってしまうのです。
闇金や違法業者からの勧誘が激しくなる
特に破産者情報などは官報に記載されるため、多くのいかがわしい金融業者も目にすることになります。
「自己破産をしたとたんローンのダイレクトメールが届くようになった」というのは経験者の多くが口にする体験です。
もちろん無視していれば問題ありませんが、誘惑に負けて闇金に手を出してしまう人もいるのです。
多重債務者におすすめな低金利でおまとめ歓迎の銀行カードローン
おまとめローンを選ぶならば低金利という部分は絶対に外せません!
となるとやはり銀行のローンが一番堅実でしょう。
ここでは銀行の手がけるおまとめローン、または銀行カードローンでもおまとめ可能な商品を選んでみました。
東京スター銀行おまとめローン
「おまとめローン」という言葉自体を広めたという印象もある東京スター銀行のおまとめローン。
現在も東京スター銀行の看板商品のひとつです。
金利年5.8%~14.8%という低金利で、最大1000万円までの複数の借り入れをまとめることが可能です。
実店舗をほとんど持たない銀行ですので、基本的な取引はWEB上で完結することが可能なところも魅力ですね。
最近ではコミュニケーションアプリとして定番となっている「LINE」から、問い合わせや申込みもできるようになっています。(ただし、パート・アルバイト、自営業、主婦、年収200万円未満の方の申込みは不可となっております。)
三井住友銀行カードローン
特におまとめ・借り換え専用のカードローンではありませんが、金利の低さと利用限度額の高さでおまとめや借り換えの方も歓迎している銀行カードローンです。
金利年4.0%~14.5%、最高800万円までのおまとめが可能です。
三井住友銀行の口座を持っていれば、インターネットバンキングにてWEB完結での利用が可能ですが、口座を持っていない方でも審査最短30分というスピーディーさで対応してくれます。
メガバンクならではの低金利でありながら、手軽に利用できるカードローンとしておすすめです。
楽天銀行スーパーローン
楽天銀行スーパーローンは新規顧客の獲得に非常に積極的なネットバンクです(つまり審査が甘い?かもしれないという想像ができます)。
金利年4.9%~14.5%で最高500万円までの融資が可能です。
おまとめや借り換えも積極的に歓迎してくれています、アルバイトやパートの方でも申込み可能です!
また、本人に収入の無い専業主婦の方でも、利用限度額50万円(金利年14.5%)で利用が可能です。
「ネットバンクはちょっと不安」という方のために、24時間365日対応のコールセンターも用意されています。
イオン銀行カードローンBIG
使用用途自由のカードローンですので、もちろんおまとめや借り換えも歓迎しています。
金利年3.8%~13.8%という銀行カードローンの中でも低金利であり、さらに最高800万円までの融資が可能とおまとめにもピッタリのカードローンです。
パート・アルバイト、自営業の方でも利用可能ですが、専業主婦の方は限度額50万円までとなります。
じぶん銀行カードローン
auユーザーにはおなじみのじぶん銀行のカードローンもおまとめ希望者を歓迎しています。
金利年2.4%~17.5%で最高800万円までの融資が可能ですが、auユーザー限定の「au限定割」がお得です。
au限定割の借り換えコースならば金利年1.9%~12.5%と非常にお得な低金利が適用されます。auユーザーの方ならば検討しなければ損ですよ!
住信SBIネット銀行MR.カードローン
テレビCMもスタートして新規顧客を大募集している住信SBIネット銀行のMR.カードローンですが、なんといっても特筆すべきはその低金利でしょう。
金利年1.89%~7.99%で融資最高額1000万円までとおまとめに最適のローンとなっています。
ただしこの条件が適用されるには、所定の条件をクリアしている場合にのみ、この条件のプレミアムコースでの利用が可能となります。
具体的には、SBI証券口座保有登録済、所定の住宅ローン残高がある方、所定のSBIカードを保有し引き落とし口座を所定の口座に指定している場合となります。
この3つの条件により基準金利から-0.1%~-0.6%引き下げられます。
消費者金融系おまとめローンはどんなものがある?
「やっぱり銀行はちょっと敷居だ高くて・・・」という方のために、消費者金融系のおまとめローンをご紹介します。
しかし、消費者金融業者は貸金業法に基いて運営していますので、総量規制である年収の3分の1を超える金額の貸し付けには、総量規制の「例外」となる場合にのみ貸し付けを行うことができます。
総量規制の例外となるためには、利用者にとって「一方的に有利となる借換え」である必要があるので、例えば金利の低いローンを金利の高いローンに借り換えることはできないのです。
現在の借り入れしている金利が低い場合、消費者金融でのおまとめは難しくなる可能性があるということを覚えておきましょう。
現状として、おまとめに積極的な消費者金融はあまりありません。
アコム
通常のカードローンとは別に「貸金業法に基づく借換え専用ローン」という設定を用意しています。
金利年7.7%~18.0%で融資額最高300万円ですので、一般の銀行カードローンと比較しても物足りなさはありますね。
また、アコムの通常のカードローンは来店不要でWEBでの手続き完結も可能なのですが、借換え専用ローンの場合には、いったん電話で申し込んでから店頭窓口(または無人契約機)にて契約という流れになります。
ちなみに返済専用のローンとなりますので、利用中に追加の借り入れはできません。
アイフル
消費者金融業者の中では珍しく、借換え商品にも力を入れている印象のあるアイフルです。
アイフルの利用が初めての方は「かりかえMAX」、アイフルを利用中または利用したことがある方は「おまとめMAX」を利用することになります。
金利は、かりかえMAXが実質年率12.0%~17.5%、おまとめMAXが12.0%~15.0%で、融資可能額はどちらも500万円までとなっています。
正直、よほど現在の借入れ金利が高い人でないとメリットが少ないと思われます。
多重債務者でもおまとめローンの審査に通る?ポイントは?
どんなカードローン審査でも参照されるのが、個人の信用情報です。
現在では各信用情報機関で情報を共有しているので、過去の事故情報や返済履歴はもちろん、現在の借入状況も把握することが可能です。
「じゃあ多重債務者は審査に通る可能性なんてないの?」と思われてしまうでしょうが、そもそもおまとめローンは多重債務者のためにできたローンです。
複数の借入があることは前提となっていますので、後はどういったポイントが審査で重視されるかをしっておけば良いのです。
多重債務者が通常のカードローン審査に通ることは難しいかもしれませんが、おまとめローンならば大きな障害とはならないのです。
では、おまとめローンの審査で重要となってくるポイントを見てみましょう。
延滞や債務整理といった金融事故情報が無い
過去の延滞や債務整理をしたというネガティヴ情報は、即審査落ちとする業者も多いです。
こういった事故情報は保有期間を過ぎれば削除されますので、それまでは堅実に返済実績を積むことに専念しましょう。
見に覚えが無いのに審査に落ちるという人は、一度自分の信用情報を開示してみることもおすすめします。
借入件数が多い
複数の借入先があることは問題ありませんが、あまりに件数が多いと敬遠されてしまいます。
「5社以上借入れがあると無理」などといわれることもありますが、何件以上借入れ先があればダメという基準が一般に明かされることはありません。
しかし、件数は少なければ少ないほど有利なことは確かです。
もし限度額に余裕がある借入れ先があり、その余裕分で1件でも借入れ先を完済できるのであれば、「自力おまとめ」をしてから目的のおまとめローンの審査に臨む方がよいでしょう。
希望融資額と収入のバランス
いくら総量規制も関係なく融資限度額に余裕のあるおまとめローンだといっても、収入に対して明らかに大きな金額の融資希望額では審査も通りづらくなってしまいます。
現在の借入れをまとめることが目的なのですから、それ以上の金額を希望しないことが原則です。
それでもどこのおまとめローンの審査も通らないのであれば、あなたの収入でその借金総額は荷が重すぎるということでしょう。
債務整理という方法も検討した方が良いかもしれません。
もちろん通常のカードローン審査と同様に、本人の職種や住居環境といった属性も考慮されます。
実は、おまとめ専用のローンよりも、おまとめを歓迎している一般の銀行カードローンの方が審査に通りやすいという口コミもあります。
おまとめローンの審査はやはり厳しめになる傾向があるということも頭のスミに置いておきましょう。
多重債務が相談出来る公的機関の窓口は?
銀行、消費者金融、クレジットカード会社等で多重債務を抱えてしまい、返済の目途が立たず、多大なるストレスに晒されながら、今後どうやって完済しようかと一人で悩んでいらっしゃる人も大勢いらっしゃるのではないでしょうか。
借金問題の相談には公的機関の窓口が便利です。
多重債務を相談できる公的機関の窓口は以下の通りです。
国民生活センター、消費者センター
国民生活センターは全国763箇所の消費者センターと提携している独立行政法人で、商品・サービス等、消費生活全般の苦情や問い合わせを受け付けています。
個人の努力だけで解決が困難になる前に相談することが望ましいです。
2016には25,985件の相談が寄せられており、生活費不足からサラ金に手を出して多重債務を抱えた人の債務整理法など、あらゆる相談を受け付けています。
公式サイトで各都道府県の消費者センターの電話番号を調べて、平日9:30~16:00に連絡してみましょう。
最寄りの消費生活相談窓口が分からない場合、消費者ホットライン188に電話をして郵便番号を入力するとつながります。
消費生活専門相談員、消費生活コンサルタント、消費生活アドバイザーの資格取得者が無料で適切なアドバイスをしてくれます。
消費者センターが定期的に実施している多重債務相談会も便利です。
法テラス(日本司法支援センター)
法テラスは法律専門家に相談をしたいけれど、経済的な余裕がない人におすすめの相談窓口です。
国が設立した法トラブルの総合案内所ですから安心して利用可能です。
まずは平日9:00~21:00、土曜日9:00~17:00に法テラスサポートダイヤル0570-078374へ電話をするか、メールで問い合わせをしてください。
法テラスと契約中の弁護士や司法書士が年間約5万件の相談に乗っています。
多重債務問題で地方事務所へ出向く場合、事前に公式サイトで支援申込書の記入方法を確認しておくとスムーズです。
相談時間は30分、最大3回まで無料相談に応じており、規定の回数以内で解決しなかった場合は有料で正式依頼が可能です。
経済的に弁護士費用の支払いが困難な人は、審査に通過すると民事法律扶助を受けられます。
日本弁護士連合会
日本弁護士連合会は全国の弁護士会を総轄する機関で年間約70万件の相談に応じています。
電話0570-783-110かひまわり相談ネットで予約をしてから、各都道府県にある法律相談センターで面談を受けてください。
弁護士が1回60分、最大3回まで同じ相談内容に応じており、多重債務問題は初回無料の場所が多いです。
有料の場合は30分5,000円で15分ごとに2,500円の追加料金が発生します。
日本司法書士連合会
日本司法連合会は全国の司法書士を管理する機関で年間約6~7万件の相談に応じています。
公式サイトから最寄りの司法書士連合会の電話番号を調べて、面談前に事前予約をしてください。
1回50分以内、最大3回まで同じ内容の相談が可能です。
新潟県司法書士会の多重債務ホットライン025-240-7974のように、ベテランの司法書士が無料で対応してくれる電話相談も便利です。
日本貸金業協会
日本貸金業協会は消費者金融やクレジットカード会社で多重債務を抱えた際の悩み相談や、苦情を受け付けています。
平日9:00~17:30に各都道府県の事務所へ相談すると、貸金業に詳しいスタッフが無料で時間制限なくアドバイスをしてくれます。
面談にはローン契約書や取引履歴の書類を持参すると分かりやすいです。
日本クレジットカウンセリング協会
日本クレジットカウンセリング協会JCCOは内閣府の認定を受けた公益組織です。
平日10:00~12:40、14:00~16:40に多重債務ホットライン0570-031640で相談できます。
弁護士と有資格アドバイザーから無料で多重債務の返済や整理方法のアドバイスを受けられるだけではなく、全国に13箇所ある相談室で面談後に無料の任意整理にも応じています。
利用条件は銀行、消費者金融、クレジットカード会社を通して生活費のために借金をした人で、ギャンブルや浪費は対象外になりますので注意してください。
面談当日は弁護士と家計アドバイザーが2人1組になり、適切なアドバイスしてくれるため、全て無料のわりに心強いです。
多重債務のQ&A
そもそも多重債務とは?
多重債務とは消費者金融やクレジットカード会社など2社以上の金融機関から借金をしていることを指し、返済困難な状況に陥っている人を多重債務者と呼びます。
2010年に施行された改正貸金業法により、消費者金融とクレジットカードのキャッシング枠で年収の3分の1を超える融資が難しくなったため、年間の個人再生件数は1万件、自己破産件数は10万件程度に落ち着きました。
2000年後半に多重債務を一本化する目的でサービス開始となったおまとめローンは、総量規制の対象外で金利を下げられると好評ですが、返済回数を増やすと支払総額が増えてしまうデメリットもあります。
借金の悩みを抱えている人は無料で相談可能な法テラスを利用してください。
債務者と債権者の違いは?
債務者は借金の返済義務を抱えた人です。
逆に借金の返済請求をする権利がある人を債権者と呼びます。
金融機関でカードローンの契約をした場合、融資を受けた人が債務者、月々の返済を要求する金融機関が債権者となります。
債務者が約束通りに借金の返済をしなければ、債権者から債務不履行と見なされて法的措置をとられます。
遅延や不完全履行はもちろんのこと、アリバイ会社の利用等で嘘偽の申告がバレると、債務者は債権者から不法行為責任を問われますので注意が必要です。
破産手続きの申し立ては債務者と債権者の両方に認められています。
しかし、債権者が裁判を起こすと費用を負担しなくてはならないので、一般的にはあまり利用されません。
債務者が死亡した場合は誰が借金を払うの?
債務者が借金返済の途中で死亡すると、マイナスの資産として親族が遺産を引き継ぐことになります。
対処法は単純承認、限定承認、相続放棄の3種類があります。
単純承認は遺族が債権者に借金返済することを示します。
限定承認では被相続人全員で積極相続を受けた範囲内の債務を継承します。
相続放棄を選ぶ場合、3ヵ月以内に家庭裁判所で遺産放棄の手続きをすると、返済に義務を負わずに済みます。
住宅ローンを組む場合、団体信用生命保険の加入を義務付けている金融機関がほとんどなので、保険金で債務返済をする方法を問い合わせてください。
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